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弁護士法人阿部・阪田法律事務所

法律コラム

2021年03月29日

海事法とは、海に関わる人間の諸活動に関する法全般を指す言葉です。私法として契約法や不法行為法の特則を構成するだけでなく、多岐に亘る法分野における特則あるいは特別の制度として機能しています。また、長年にわたり多国間条約による法統一の努力がなされている分野でもあり、国際的視点からの検討も欠かせません。そのため、日頃海事法に縁のない多くの人々からは、特殊分野との印象を持たれるだけでなく、そこに登場する法原則や制度自体に違和感を持たれたりすることもあります。海事法がその存在理由を発揮し続けるためには、そのような印象や違和感を放置してよいとは思えません。
一方で、海事法それ自体の問題としても、論点によっては、従来の海事法学説や判例なるもの自体すら(平成30年の商法(運送・海商関係)改正でかなり解消されたとはいえ)日々進化する関連する業界実務をなお追いかけてきれていない印象がないではない場合もあるように思われます。これもまた由々しき問題です。
これらの印象や違和感が生じる一つの理由には、海事法に登場する用語(基本概念)自体が、なじみのないものだったり、あるいはその意味につき必ずしも関係者に共通理解がなかったりすることも関係するのではないでしょうか。そこで、本コラムにおいては、本年より、弊事務所の池山明義弁護士が、「基本概念から繙く海事法」と題して、海事法に登場する基本概念を適宜採り上げ、その意義や機能の検討を試みたいと思います。
なお、日本語版だけでなく適宜英語版の解説も掲載したいと考えていますが、何れも基本的には日本法及び日本が当事国である国際条約に関する解説であり、英語版は、英語による日本法の説明の趣旨に出たものです。またそこで示された意見はあくまで同弁護士の個人的意見であり同弁護士が属する法人や組織の意見ではありません。
第1回のテーマは「重過失」と「認識無謀行為」です。

>基本概念から繙く海事法(1)―「重過失」と「認識無謀行為」(日本語英語

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弁護士法人阿部・阪田法律事務所は、これまで数多くの海事案件及び企業法務案件を手掛けてきました。
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